古代エジプト人の日常生活何でしたか?
古代エジプト人の晩ご飯 ―エジプト人は何を食っていたか― 現在位置を確認します。/ウェブリブログ
リクで「古代の食い物の変遷を教えてくれ」と言われたのですが、古代エジプト人の食生活が、劇的に変わった時代的な節目というのは、特に無さそうだ。古代エジプト人はナイル流域に定着したその時から、ひたすら小麦(エンマー小麦)で作ったパンを主食に、大麦はビール(といってもスープに近い)にして暮らしてきた。パンとビール。
そして時々は川でとった水鳥や魚、ナツメヤシなどの木の実、野菜。
日本人の「白米と味噌汁があればとりあえずいーや おかずはその日とれたもので」的な感覚に近いかもしれない。エジプトは砂漠の国だが、川沿いは水が絶えることがないため意外に食べられる野草が多い。タマネギやマメ、ちしゃ(レタス)、ざくろなどは畑で作っていたようだが、それ以外にも、ハコベ の仲間など、そのへんの雑草も食用に使っていた形跡がある。
古代の食卓は、庶民といえど意外と栄養バランスがとれた豊かなものだったようだ。
では庶民と王族や貴族の違いはなんなのか、というと、「肉を食ったかどうか」である。古今東西、たいていの農耕文明において、牛や羊などの家畜の肉を日常的に食べられるのは支配階級の人間と相場は決まっている。家畜の肉は、神様への捧げ物(=その後、神官がおいしくいただく)、または王や貴族の食事とされた。庶民は、そのへんで採ってきた野鳥や魚を食べていたようで、狩りの模様も壁画として残されている。
好まれた野鳥はカモで、自宅の庭で飼っている絵も墓の壁画に残されている。
ちなみに古代エジプトにはもともとニワトリはおらず、導入されたのは新王国時代以降のようだ。
下の絵では、庭の池の周りに実をつける植物を植え、池に魚と鳥を飼っている豊かなお宅の様子が伺える。
他には、養蜂場があり、上流階級はハチミツいりのパンケーキを食べていたことも知られている。
メジャーなナツメヤシやザクロ、イチジクのほかにアーモンドが食べられていた形跡もあり、場合によってはアーモンドいりの甘い菓子パン…なんていう贅沢なものを食していた可能性も。ヤギのミルクやチーズは現代エジプトではよりと料理に使われているようだが、古代には、出現頻度が低い。
古代エジプト人はチーズを食べたか
調理方法としては、「焼く」「煮る」、または「干す(ひものにする) 」が一般的で、魚や肉が干物として保存された例もある。古代エジプト人は魚の卵も食べていたようで、これが現代エジプト人が食べているボラの卵の干物(カラスミ)のルーツなのかもしれない。現代エジプトと同じく、大量のハーブを使った煮込み料理などを作っていたのかもしれない。
古代エジプトの家はどこにある「レシピ」は残されていないが、調理器具は多く発掘されている。庶民は質素な陶器の皿、王族は金属やガラスの立派な食器、というのは想像がつくところだろう。だが、なべて古代エジプト人は食事を楽しんでいたようだ。墓から発見される、今は干からびてしまった死者のための「お弁当」セットは、人間味を感じさせ、とてもなごむ。時にそれは、考古学ファンにとって黄金よりも宝石よりも重要な発見物なのだ。
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外来のたべもの
・オリーブ →ミュケナイ期のギリシャから輸入
・ワイン用のぶどう →中王国時代?西アジア経由と予想
・にわとり →新王国時代以降 西アジア経由?
ほとんどの食べ物は現地原産または文明初期に根付いている。食物生産には、かなり恵まれた土地。
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古代エジプトで食べられていた意外なもの
・スイカ
アフリカ原産のため、かなり初期から栽培されていた。
・れんこん
スイレンの根っこの部分は食用。
・パピルス
根っこは食用に出来たようだ。
・カエル、カメ
一応、煮込むことは…あったようだが、積極的に食ったかどうかは謎。
・貝
海に近い地域の人々は食べていたようだ。貝殻を使った細工も見つかっている。
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